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【青年海外協力隊】フィジー卓球隊員の2か月の取り組み総まとめ!

JICA海外協力隊

フィジー卓球隊員の2か月の取り組み総まとめ!

今回は僕がフィジーで取り組んだ2か月間の活動をまとめます。
国際協力の現場をより身近に感じてもらえれば嬉しいです。

僕はフィジー卓球協会(以下、卓球協会)に所属し、小学校やコミュニティーへ訪問指導をする「普及活動」と有望なジュニア選手やナショナルチーム選手への競技レベル向上を目指す「強化」に取り組んでいました。

1本目は「普及」の課題について、
2本目は「強化」の課題について、
3本目の今回は課題を解決するために実行したことについてまとめます。

計画していたスケジュールと実際のスケジュールは以下のような感じです。

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僕の活動の主軸は東京オリンピックに出場!
オリンピック予選まで3か月!それでも、焦る僕と緊張感のない選手…。
それと並行して普及活動、活動の基盤づくりにも取り組んだ2か月でした。

では、僕の具体的な活動内容をご紹介していきます。

①現状把握

Luisella Planeta LeoniによるPixabayからの画像


卓球協会のゴールと課題を理解するために関係者にヒアリングをしました。
「現状の問題はなにか?」
「僕(協力隊員)になにを求めているか?」など
質問をしていきましたが…結果として、僕がすべきことはわかりませんでした。なぜなら、卓球協会の活動指針が定まっていないからです!ということで、直近のオリンピック予選を目標に活動することにしました。

②オリンピック出場選手への指導

練習で直接指導

週5日、2時間の練習で指導していました。

選手の強化方針の決定

・過去の試合動画を一緒に見る
・練習、試合を見る
・選手と相談する
→オリンピック予選までに集中して取り組むテーマを決めました。

主体的に考える指導

フィジーの選手に
「なんでミスしたと思う?」
「試合で良かったところはどこ?」
と聞いても全く論理的に答えられませんでした。

卓球の試合はベンチコーチもいますが、一人で考えて戦わないといけません。卓球の技術以上に改善すべきことだと考え、選手が主体的に考えれるような指導を心がけました。

・振り返りシートの作成
→明日の練習メニューを考えて決めてもらう

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僕が作成した振り返りシート

遠征のバックアップ

2月下旬にトンガ遠征がありました。僕は帯同できませんでしたが、オリンピック予選前の最後の重要な大会です。トンガで活動する協力隊の卓球隊員、体育隊員も大会会場にいるということなので、選手にアドバイスをしてもらうように頼みました。それに合わせて、試合の振り返りシートを作成しました。

③ジュニア選手の育成

ジュニア選手はナショナルチームと同じ場所で練習するので18時までは僕も指導します。

練習時間
17:00-18:30 ジュニア選手、パラ選手
18:00-20:00 ナショナルチーム

出欠表の作成

ジュニア選手は多くても10人いません。17時から18時まで、選手が1人の時もありました。参加するモチベーションが低いです。

また、練習に参加するためには1日2フィジードル(100円程度)をもらっていましたが、支払いもあいまいになっていました。

練習にたくさん参加すると選手に特典があるシステムづくりと支払いを確認するために出欠表の導入を提案しました。

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僕が提案した出欠表

コーチとのコミュニケーション

コーチが「選手はしっかりと練習に参加してくれないから、こっちも育てる計画が立てれない」と言っていたのにも関わらず、

④普及活動

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訪問指導

公立学校への訪問指導には政府からのライセンスが必要で、僕は指導ができませんでした。

そのため、公立ではない学校3校に連絡を取り、定期的に指導しました。そのうちの1校は卓球に力を入れていて週2~3時間ほど指導させてくれました。卓球に興味がある学校の先生に対して卓球の指導法の指導をしてほしいともお願いしてもらい、計画中でした。

また、障害者の方のリハビリテーション病院でも活動を予定していました。リハビリ、健康維持、パラ卓球の普及を目的に、病院との打ち合わせもスケジュール調整中でした。

⑤広報活動

ホームページ

フィジー卓球協会のメインホームページはFacebookです。しかし、Facebookページに練習日程、時間、場所が何も載っていませんでした。協会メンバーに話を聞くと、「練習に行きたい」と問い合わせがあっても返信していないケースも多いそうです。この状況で新しい人が来ないのは当然です。

Facebookでの広報の必要性を訴えたおかげか、帰国前には1度だけ練習日程が公開されました…。

イベント実施

日本大使館主催の東京オリンピック・パラリンピックのPRイベントの一環として一般の方がフィジー代表選手とプレーできるコーナーを企画しました。

その準備として
・在フィジー日本大使館との打ち合わせ
・卓球台、ラケットなどの用具とその輸送の手配
・選手とのイベント参加以来、打ち合わせ
・PR用のリーフレット作成、印刷

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僕が作成したチラシ

結果としては30~40名ほどの方々に卓球を楽しんでいただきました。

活動の基盤づくり

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オーストラリアから寄付されたフィジーのラバー→ラケットがないので活用できない

用具の管理環境の整備

普及活動をする上でなくてはならないもの、卓球用具。
フィジーには卓球ショップがないので、海外からの支援に頼っています。僕も日本からラバー、ラケットを寄付を集めようとしましたが、問題がありました。

せっかく寄付してもらった用具がうまく使われていないのがフィジー現状です。卓球協会はオフィスも倉庫も持っていません。寄付された用具は卓球協会メンバーの職場で保管しています。必要な時に取り出せない状況です。メンバーがよい方なので私物化していることもありませんが…誰かが勝手に使ってもわからない危険性もあります。

「寄付」自体は簡単ですが、寄付すればよいというわけではありません。
寄付したのに使われない、寄付したのに私物化して一部の利益を生む道具になる、日本人は寄付してくれて当然だと思われてしまうなどの可能性があります。

そこで卓球協会メンバーが共用で管理するオフィス 兼 倉庫を探しました。寄付された用具を活用するために、管理体制ができてから寄付を集めていくように動いていました。

まとめ

僕が活動した現場の状況、実際の活動を全3記事でまとめました。

現地の方々、フィジーJICAオフィスの職員の方々、協力隊の動機や先輩に支えられたからこそ、僕の活動は成り立っています。改めて感謝の気持ちをもってこの記事を終わります。

最後までご覧くださってありがとうございました。

※以下は2020年7月20日にnoteに書いていた記事のリライトです

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