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【TED】ゾンビの黒歴史(スクリプト+ボキャブラリーメモ)

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今回の記事ではTEDより「ゾンビの黒歴史」の英語/日本語のスクリプト、気になったボキャブラリーをまとめています。

ゾンビの起源についてアフリカ、ハイチの奴隷制に遡りながらわかりやすく解説されたとても面白い動画です。

動画

動画概要(公式)

ゾンビの起源は明確で、赤道アフリカと中央アフリカにまで遡ります。3世紀もの間、アフリカの人々は奴隷としてカリブ海の島々に連れてこられました。そこで、人の魂は捕らえられ、保存され、体のないゾンビになるという信仰とともに、ブードゥーと呼ばれる宗教が発展しました。クリストファー・M・モアマンが、アンデッドの真の起源を解き明かします。[監督:カスパル・ヤンシス、ナレーション:アディソン・アンダーソン、音楽:サリル・バヤニ、cAMP Studio]

英語・日本語スクリプト/ボキャブラリー

00:06
Animated corpses appear in stories all over the world throughout recorded history. But zombies have a distinct lineage— one that traces back to Equatorial and Central Africa.

生ける屍歴史上 世界中の物語に登場しますが ゾンビには明確な系統があります それは赤道アフリカおよび 中央アフリカに行きつきます

Animated
活発な, 生き生きとした, 快活な
 アニメーションの, 動画の

corpses
(人間の) 死体 同意 body

distinct
〘フォーマル〙 別個の, 別々の, 別種の
まったく異なった, 対照的な, 独特の
 はっきりとわかる, すぐに気づく
《名の前でのみ》 明らかな, 疑う余地のない

lineage
〘フォーマル〙 血統, 家系

traces
…を探し出す, 見つけ出す
<起源・原因など> をたどる, 突き止める
trace something (back) to something
<…>を<…>にたどる

00:19
The first clue is in the word “zombie” itself. Its exact etymological origins are unknown, but there are several candidates. The Mitsogho people of Gabon, for example, use the word “ndzumbi” for corpse. The Kikongo word “nzambi” refers variously to the supreme being, an ancestor with superhuman abilities, or another deity. And, in certain languages spoken in Angola and the Congo, “zumbi” refers to an object inhabited by a spirit, or someone returned from the dead. There are also similarities in certain cultural beliefs. For example, in Kongo tradition, it’s thought that once someone dies, their spirit can be housed in a physical object which might bring protection and good luck. Similar beliefs about what might happen to someone’s soul after death are held in various parts of Africa.

最初の糸口は 「ゾンビ」という言葉自体にあります その正確な語源は不明ですが 候補はいくつかあります たとえば ガボンのミツォゴ族死体には 「ンズンビ(ndzumbi)」という言葉を使います コンゴ語の「ンザンビ(nzambi)」は 様々な意味で至高の存在 すなわち 超人的な能力を持つ祖先 または別の神を意味します また アンゴラやコンゴで 話されている特定の言語での 「ズンビ(zumbi)」は 霊が宿る物体や 死から蘇った人を指します また ある種の文化的信条にも 共通点があります 例えば コンゴの言い伝えでは 誰かが死んだとき その人の魂は物に宿り 人々に幸運と加護を もたらすと言われています 死後の魂に何が起こるかについての 同様の考えは アフリカのさまざまな地域で見られます

etymological
語源の, 語源に関する

refers to
refer to somebody/something <言葉・数字・報告などが> <…>を表す, 示す
refer to somebody/something <…>に言及する, 触れる
refer to something <本・メモなど>を参照する, 参考にする

deity
 神, 女神
 the Deity (一神教の) 神, 造物主 ((God))

01:13
Between 1517 and 1804, France and Spain enslaved hundreds of thousands of African people, taking them to the Caribbean island that now contains Haiti and the Dominican Republic. There, the religious beliefs of enslaved African people mixed with the Catholic traditions of colonial authorities and a religion known as “vodou” developed.

1517年から1804年の間に フランスとスペインは 数十万人のアフリカ人を奴隷にし 現在のハイチとドミニカ共和国を含む カリブ海の島に連れて行きました そこで 奴隷にされた アフリカの人々の宗教的信念と 植民地当局のカトリックの 伝統が混ざり合い 「ブードゥー」として知られる宗教が 発展していったのです

enslaved
…を奴隷にする
《通例受け身形で》 …をとりこにする

01:37
According to some vodou beliefs, a person’s soul can be captured and stored, becoming a body-less “zombi.” Alternatively, if a body isn’t properly attended to soon after death, a sorcerer called a “bokor” can capture a corpse and turn it into a soulless zombi that will perform their bidding. Historically, these zombis were said to be put to work as laborers who needed neither food nor rest and would enrich their captor’s fortune. In other words, zombification seemed to represent the horrors of enslavement that many Haitian people experienced. It was the worst possible fate: a form of enslavement that not even death could free you from. The zombi was deprived of an afterlife and trapped in eternal subjugation. Because of this, in Haitian culture, zombis are commonly seen as victims deserving of sympathy and care.

いくつかのブードゥー教の信念によれば 人の魂は捕らえられて保存され 体のない「ゾンビ」になります あるいは 死後すぐに 遺体が適切に扱われないと 「ボコル」と呼ばれる 魔術師が遺体を捕らえ それを魂のないゾンビに変えて 命令を遂行させることができます 歴史的には こういうゾンビは 食べ物も休みも不要な労働者として働かされ ゾンビの使用者の財産を 増やすと言われていました 言い方を変えれば ゾンビ化は 多くのハイチ人が経験した奴隷化の恐怖の 現れと捉えることができます それは最悪の運命 すなわち 死後も解放されることのない 奴隷の形態でした ゾンビは死後の世界を奪われ 永遠の隷属状態に追い込まれます このため ハイチの文化では ゾンビは一般的に同情とケアに値する 犠牲者と見なされています

attended to
 attend to somebody <病人など>の世話をする, 面倒をみる
attend to somebody <客など>の応対をする
attend to something <仕事など>を処理する

sorcerer
(悪霊の力を借りる) (男の)魔法使い[妖術(ようじゅつ) 師]

bidding
 (競売での) 競り, 入札
(請負仕事などの) 入札

perform their bidding do somebody’s bidding
<人>の命令[指図]に従う, 言いなりになる

captor
捕らえる[監禁する]人, 捕獲者

deprived of
deprive somebody of something
<人>から<…>を奪う

subjugation
支配, 征服 
従属していること, 支配されること

subjugate
<人々・場所など> を征服する, (力で)支配する
<…>を<…>より後回しにする, 軽く扱う[見る] 

02:36
The zombie underwent a transformation after the US occupation of Haiti began in 1915— this time, through the lens of Western pop culture. During the occupation, US citizens propagated many racist beliefs about Black Haitian people. Among false accounts of devil worship and human sacrifice, zombie stories captured the American imagination. And in 1932, zombies debuted on the big screen in a film called “White Zombie.” Set in Haiti, the film’s protagonist must rescue his fiancée from an evil vodou master who runs a sugar mill using zombi labor. Notably, the film’s main object of sympathy isn’t the enslaved workforce, but the victimized white woman.

ゾンビは1915年に米国によるハイチ占領が 始まった後 変容を遂げました 今度は西洋のポップカルチャーの 視点を通してでした 占領中 アメリカ国民はハイチの黒人に対する 多くの人種差別的な考えを広めました 悪魔崇拝と人間の生け贄という 偽りの説明の中で ゾンビの物語はアメリカ人の 想像力をかきたてました そして1932年に ゾンビは『ホワイトゾンビ』という映画で スクリーンデビューを果たしました ハイチを舞台にした この映画の主人公は ゾンビを使って製糖工場を経営している 邪悪なブードゥー教の指導者から 婚約者を救出しなければなりません 注目すべきは この映画における 同情の主な対象が奴隷労働者のゾンビではなく 犠牲となった白人女性であることです

underwent = undergo
<悪状況など> にあう, <試練> を受ける
undergo a change / modification / transformation
変化を遂げる, 修正を受ける
undergo surgery / treatment / tests
手術[治療,検査]を受ける

propagated
フォーマル〙 <考え・信念など> を広める, 普及させる
 <植物・種子など> を育てる, 繁殖させる b) 《自》 育つ, 繁殖する

accounts
《C》 (出来事などについての) 報告, 説明, 話
《C》 (過程・仕組みなどについての) 説明, 解説
《C》 口座
《C》 アカウント ((企業などのサービスを受けるための資格))

protagonist
(映画・小説などの) 主人公

sugar mill
(紙・鉄鋼・布など材料を作る) 工場, 製材所
mill town工場町 mill worker工場労働者
製粉所
製粉機

03:24
Over the following decades, zombies appeared in many American films, usually with loose references to Haitian culture, though some veered off to involve aliens and Nazis. Then came the wildly influential 1968 film “Night of the Living Dead,” in which a group of strangers tries to survive an onslaught of slow-moving, flesh-eating monsters. The film’s director remarked that he never envisioned his living dead as zombies. Instead, it was the audience who recognized them as such. But from then on, zombies became linked to an insatiable craving for flesh— with a particular taste for brains added in 1985′s “The Return of the Living Dead.” In these and many subsequent films, no sorcerer controls the zombies; they’re the monsters. And in many iterations, later fueled by 2002′s “28 Days Later,” zombification became a contagious phenomenon.

その後 数十年の間に ゾンビは多くのアメリカ映画に登場しました 大抵はハイチ文化を 多少参考にしていましたが 中には宇宙人やナチスを 巻き込んだものもありました その後 非常に影響力のある 1968年の映画 『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』 が公開 この映画では 互いに見知らぬ人たちが 動きの遅い肉食怪物の猛攻撃から 生き延びようとします この映画の監督は 映画の中の生ける屍を ゾンビとは想定していなかったと 語っていました 代わりに そのように認識したのは 観客でした しかし それ以降 ゾンビは肉への 飽くなき渇望と結びつけられ 1985年の映画『バタリアン』で ゾンビは特に脳を好むと 追加設定されました これらおよびその後の多くの映画では ゾンビを支配する魔術師はいません ゾンビが怪物となったのです 映画化は繰り返され 2002年の映画『28日後』で加速がついて ゾンビ化は伝染性のある 社会現象になりました

veered
<話・意見などが> (急に)変わる
 (急に) 向きを変える, 曲がる

onslaught
 (軍隊などによる) 猛攻撃
殺到, (比喩的に) 猛攻撃
 (厳しい気象の) 猛威

envisioned
<未来のことなど> を想像[予見]する, 見込む
envision something as something<…>を<…>と想像する

insatiable
飽くことを知らない, 強欲な

subsequent
その後の, 以降の

iterations
〘専門〙 (コンピュータの) 反復(処理)
〘フォーマル〙 繰り返し, 反復

contagious
<病気が> 接触伝染[感染]の
<人が> 感染力が強い
<笑い・感情などが> 伝染しやすい, うつりやすい

04:23
For decades now, artists around the world have used zombies to shine a light on the social ills and anxieties of their moment— from consumer culture to the global lack of disaster preparedness. But, in effect, American pop culture also initially erased the zombies origins— cannibalizing its original significance and transforming the victim into the monster.

何十年もの間 世界中のアーティストたちは 消費者文化から 災害への準備の世界的な欠如まで その時々の社会悪や不安に光を当てるために ゾンビを利用してきました しかし実際は アメリカのポップカルチャーが 最初にゾンビの起源を消し去り ゾンビの本来の意味をないがしろにして 犠牲者を怪物に変えたのです

preparedness
準備(のできていること)
覚悟(のできていること), やる気

要約と感想

「ゾンビ=怪物」は国内外の映画を見ても(少なくとも西洋諸国の)世界的な常識と言っていいかと思います。その起源がアフリカであったこと、奴隷制以後は奴隷が死後も労働から解放されない恐怖を表し同情の対象であったことは、全く知りもませんでしたし、想像もできませんでした。

僕はホラー映画やスプラッター映画などが怖くて全然見ないので、ゾンビ方面の知識もなく、余計に驚きました。

現在のゾンビはアメリカによって捻じ曲げられた姿ですが、ゾンビを見るたびに背景にあった奴隷制の歴史を忘れないようにしたいものです。

ハイチでアフリカの宗教とカトリックが混ざった誕生したブードゥー教にはゾンビのこともあり、悪いイメージがついているようです。実際はそんなことはないとお伝えするためにブードゥー教についての参考資料を載せておきます。

英語学習におけるTEDの活用方法

僕がTEDを利用する際、以下のような手順で使っています。

①興味ある分野から動画を選ぶ
②字幕なしで動画を見る
③字幕ありで動画を見る
④知らない単語を調べる
⑤音読する

TEDは無料でスクリプトも公開されていますし、無料なのに機能性がとても高いです。その上、動画のプレゼンの内容自体が学びになるので英語学習にオススメです。

また、スマホ用アプリでおすすめなのが「TEDICT LITE」。

TEDのWebページだとだ字幕は英語か日本語の片方しか出ませんが、「TEDICT LITE」は日・英の字幕が同時に出ます。僕が調べて掲載している動画で使用されるボキャブラリーもまとまっています。

有料版の「TEDICT」もありますが、まずは「TEDICT LITE」をお試しください。

参考資料

ゾンビの暗黒史 — クリストファー・M・モアマン

ロングマン英和辞典
※英単語は全てロングマン英和辞典から引用しています。

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