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名刺代わりの小説10選

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twitterで「#名刺代わりの小説10選」というタグを見つけたので、苦労しながら選んでみました。

君の膵臓をたべたい(住野よる)

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。

そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて——。

読後、きっとこのタイトルに涙する。

https://www.futabasha.co.jp/introduction/2015/kimisui/index.html

僕が人生で最も大切にしている小説。最も多く読み返し、最も泣いた本。

病を抱える山内桜良との爽やかな青春。そして明るい世界観からは想像できない彼女との別れ。それを「僕」は自分の弱さと向き合いながら一歩を踏み出す。

物語の後半で山内桜良が「僕」に語りかけるあたたかい言葉、そして「君の膵臓をたべたい」という言葉。人との関わり方に迷ったときに何度でも何度でも読み返したくなる。

僕(mika)自身も本、マンガ、映画をひとりで楽しむ時間を極力確保したい「僕(主人公)」と同じタイプなので、彼の気持ちや苦しみにとても共感できた。彼の臆病さ、強さ、成長を優しく描く本作に何度も背中を押された。

星の王子さま(サン=テグジュペリ)

いちばんたいせつなことは、目に見えない


砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった。
一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。

https://www.amazon.co.jp/%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%95%E3%81%BE-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%B5%E3%83%B3-%E3%83%86%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%9A%E3%83%AA/dp/4102122044/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=3I3TEZHW60BFZ&keywords=%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E6%A7%98&qid=1645936330&sprefix=%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E6%A7%98%2Caps%2C194&sr=8-5

言わず知れた名作。

愛、友情、仕事など、さまざまなモノへの凝り固まった考え方を変えてくれる作品。生きる上で大切なことは何かをそっと教えてくれるような一冊。大切なものは目に見えない。それはきっと、どの時代でも。どの世界でも変わらない真実。

ちなみに「星の王子さま」は「君の膵臓をたべたい」にも重要な本として登場する。ぜひ2冊を合わせて読んでみてほしい。

僕は星の王子さまで英語の勉強もしていた。英語でも変わらずあたたかい世界観。

【+アルファ】王子さまミュージアム

箱根には世界で唯一の星の王子さまミュージアムがある。星の王子さまの優しい世界に入り込める上に、販売しているグッズもかわいい。おすすめ。

世界から猫が消えたなら(川村元気)

郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、奇妙な取引を持ちかけてくる。
「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」
僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計……そして、猫。
僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E7%8C%AB%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B7%9D%E6%9D%91-%E5%85%83%E6%B0%97/dp/4094060863/ref=sr_1_2?crid=3CX55V62TNHF7&keywords=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E7%8C%AB%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89&qid=1645937202&sprefix=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8B%E3%82%89%2Caps%2C208&sr=8-2

世界からモノが消えていく。
スマートフォンを含めて電話がなくなったら…
映画がなかったら…
時計(時間)なかったら…
僕らが当然のように存在していると考える”モノ”がなかったら…
”当然”を疑い、大切なものが何かを教えてくれる作品。

でも、僕がこの作品で好きなのは、主人公と家族と猫のつながり。
「死」と向き合うことで、本当に大切なことは何かを見つめなおさせてくれる。

僕は猫好きなので、なおさら一層、愛おしい作品。

かがみの孤城(辻村深月)

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8B%E3%81%8C%E3%81%BF%E3%81%AE%E5%AD%A4%E5%9F%8E-%E8%BE%BB%E6%9D%91-%E6%B7%B1%E6%9C%88/dp/4591153320/ref=sr_1_2?crid=1RI60UDDZ47J8&keywords=%E3%81%8B%E3%81%8C%E3%81%BF%E3%81%AE%E5%AD%A4%E5%9F%8E&qid=1645938183&sprefix=%E3%81%8B%E3%81%8C%E3%81%BF%E3%81%AE%2Caps%2C215&sr=8-2

この紹介文の通り、驚きと感動で一気読みしてしまう一冊。

あたたかく優しい世界観ながら、ミステリーとしても最高に面白い。

それと同時に、大きな感動を与えてくれる。
「ひとは「独り」じゃない。誰かの優しさは、誰かへしっかりと伝わる。」
生きづらさを抱えるひとに、そんなメッセージをしっかりと与えてくれる一作。

蜜蜂と遠雷(恩田陸)

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。

https://www.amazon.co.jp/%E8%9C%9C%E8%9C%82%E3%81%A8%E9%81%A0%E9%9B%B7%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%81%A9%E7%94%B0%E9%99%B8-ebook/dp/B07PZVXJRL/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2BW2YGGA7ED44&keywords=%E8%9C%9C%E8%9C%82%E3%81%A8%E9%81%A0%E6%9D%A5&qid=1645938854&sprefix=%E8%9C%9C%E8%9C%82%E3%81%A8%E9%81%A0%E6%9D%A5%2Caps%2C178&sr=8-1

2次予選での課題曲「春と修羅」。この現代曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの分かれ道だった。マサルの演奏は素晴らしかった。が、明石は自分の「春と修羅」に自信を持ち、勝算を感じていた……。12人が残る3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進むのは誰か。そして優勝を手にするのは――。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PYV9K8G?storeType=ebooks&ref_=msw_c_B07PZVXJRL_rwt_hgbx_mbtp_nmg_ns_img

僕は音楽にはかなり疎い。クラシック音楽の知識もなければ、ピアノコンクールなんて縁もゆかりもない。クラシックなんて聞きに行ったら、うとうと眠ってしまう。

それでも、描かれる音楽の表現は美しかった。4人の天才たちがそれぞれの音楽を奏でる。ただただ美しい。ずっと読んでいたい。ずっとピアノコンクールが続けばいいのに。そんな気持ちになった。

生きるぼくら(原田マハ)

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生(あそうじんせい)。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科(たてしな)へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた──。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

https://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%82%89-%E5%BE%B3%E9%96%93%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%8E%9F%E7%94%B0%E3%83%9E%E3%83%8F-ebook/dp/B01JGCETO0/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=3IGU1IQ08LL0F&keywords=%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E5%83%95%E3%82%89&qid=1645939717&s=digital-text&sprefix=%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E5%83%95%E3%82%89%2Cdigital-text%2C206&sr=1-1

いじめ、引きこもり、金欠、母の失踪、、仕事、介護など、主人公の抱える現実はかなり厳しい。厳しさをちゃんと描いている。それでも、ひとと触れ合っていく中で、主人公の人生が変わっていく。

現実が厳しくても、一歩ずつ、一歩ずつ、進んでいこうと思わせてくれる一冊。

百瀬、こっち向いて。(中田永一)

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。
「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」 

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僕が好きなのは表題作「百瀬、こっち向いて。」

いままで読んだ中で最もみずみずしい恋愛小説。

人を好きになる幸せと苦しさが全部全部かかれている。どうせ報われない気持ちなんて、最初から知らない方が幸せに決まっている。そう思うのに、つい、手を伸ばしてしまう。

もう一度、人を好きになる勇気をくれる作品。

ダブルファンタジー / ミルク・アンド・ハニー(村山由佳)

脚本家の高遠奈津は安定した結婚生活を捨て、東京で独り暮らしを始める。まるで呪縛から解き放たれたかのように、奈津は女としての欲望と快楽におぼれてゆく。

https://www.netflix.com/jp/title/81317009

ミルク・&・ハニーはダブルファンタジーの続編。

柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞の三冠に輝いた衝撃作『ダブル・ファンタジー』待望の続編!
脚本家・高遠奈津。創作の鬼に導かれるように夫・省吾との穏やかな暮らしを捨て、いくつかの恋を経て、今は恋人・大林一也と暮らしている。しかし彼もまた、奈津の心と躯を寂しくさせる男でしかなかった。元恋人の志澤一狼太や岩井良介との再びの逢瀬を皮切りに、性の深淵へ次々に分け入ってゆく彼女が、自由と孤独のその果てに見いだしたものは……。
男女の愛憎を描き尽くし、やがて生と死の岸へとたどり着く、作家・村山由佳の到達点!

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC-%E6%9D%91%E5%B1%B1-%E7%94%B1%E4%BD%B3/dp/4163908390/ref=pd_bxgy_img_1/357-7429141-5566805?pd_rd_w=F10yp&pf_rd_p=020fee25-8ced-4191-bce3-27e7ce0c0e3b&pf_rd_r=TZMCRS1FD8JCZSYBREK5&pd_rd_r=69be7d4b-ef4d-4024-8b2e-8432dfa07f5c&pd_rd_wg=0VQGo&pd_rd_i=4163908390&psc=1

読み応えのある3冊で描くのは主人公・高遠奈津が自由を求める姿。一般的な「幸せ」かどうかなんて関係ない。建前も倫理観もどうでもよい。女性が自由を求めることの魅力も苦悩も詰まっている。

自分にとっての幸せを考えさせられる。

水を抱く(石田衣良)

初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。

https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B4%E3%82%92%E6%8A%B1%E3%81%8F-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%9F%B3%E7%94%B0-%E8%A1%A3%E8%89%AF/dp/4101250596/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=1JC28E9C9EO5S&keywords=%E6%B0%B4%E3%82%92%E6%8A%B1%E3%81%8F&qid=1645941799&s=books&sprefix=%E6%B0%B4%E3%82%92%E6%8A%B1%E3%81%8F%2Cstripbooks%2C186&sr=1-1

自由奔放なナギに振り回される俊也。2人の関係は危うく、読んでいてもどこにたどり着くのか全然想像ができず、物語に引きずり込まれてしまう。

ナギも他の登場人物たちも、人として壊れてしまっているところがある。壊れてしまったひとを「異常者」と切り捨てて関わらないようにした方がきっと「幸せ」だ。主人公は、きっとナギと出会わない方が「普通に幸せ」でいられたはずだ。

でも、壊れてしまったひとにも、希望があってもよいはずだ。壊れていても幸せでいてよいんだという希望。異常な、絶望の中で、わずかな希望を見せてくれる。

永遠のゼロ(百田尚樹)

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。

https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%99%BE%E7%94%B0-%E5%B0%9A%E6%A8%B9/dp/406276413X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=WGJPQP3Z032P&keywords=%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE%E3%82%BC%E3%83%AD&qid=1645942548&s=books&sprefix=%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE%E3%82%BC%E3%83%AD%2Cstripbooks%2C214&sr=1-1

当時の兵士たちがどんな想いで戦い、日本を守り、命を懸けたか。

僕は命を懸けてくれた人たちに対しても胸を張れるような人生を送っているだろうか。命を懸ける価値があるものを背負っているだろうか。

戦争と現代をつなげてくれている本作が、生きる覚悟を問いかけてくる。


以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

本日もよい一日でありますように。

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