" /> 【国際協力の意義4つ】 日本にも困っている人はいるのに、なんでわざわざ途上国支援?(マクロ視点)

【国際協力の意義4つ】 日本にも困っている人はいるのに、なんでわざわざ途上国支援?(マクロ視点)

国際協力全般

「日本にも自殺の問題とか子どもの貧困の問題とかあるのに、なんでわざわざカンボジアのよくわかない子どものために募金なんてしないといけないの?」

僕が大学生の頃、カンボジアの小学校建設資金を集めるために街頭募金をしていた時に言われた言葉です。

「日本も大変なのになんで?」と同じような言葉をかけられたことは数えきれません。「質問」ではなく、「冷やかし」的な言われるとこちらが不快感を感じるトーンであることがほとんどです。僕なりの答えとして、校舎がないために発生している問題や校舎ができると改善が見込まれる効果などを説明していました。

でも、それは質問の本質ではありません。「そもそも日本国内にも問題が山積みなのに、見ず知らずの国に対して支援なんてする必要があるの?」というのが質問の本質でしょう。

開発学の専門家であるデイビッド・ヒュームの答えをベースに僕なりの意見も加えて、この質問への答えを考えていきます。

先進国が発展途上国を支援する4つの理由

道徳的義務:他者の苦しみを軽減することは、人類の道徳的義務だから

道義的責任:途上国が貧しいままとどまっているのは、経済的・政治的な構造上、先進国に道義的責任があるから

共通利益:途上国からの感染症の蔓延が防げるなど、先進国にも共通の利益があるから

自己利益:『紐付きの開発援助』などで、政治や商業の面で先進国にも自己利益をもたらせるから

https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/publication/pamphlet/crossroad/202006/pickup_06_08/index.html

道徳的意義

正直、僕はシンプルにこの理由が答えの軸だと信じています。

世界で苦しんだり困ったりしている人がいるのだから、わざわざ「日本人じゃないから」、「自分には関係ないから」と助けない理由を探す必要はない。だって、地球上のすべての人が幸せな方がいいんですから。

道義的責任

先進国がかつて発展途上国に対して行った奴隷貿易や植民地主義などの行動が、現在にも大きな影響を及ぼしています。

ここは世界史を学んでいない方だと理解しづらいかもしれませんので、参考資料をご紹介します。

共通利益

地球温暖化、環境問題、海洋汚染、感染症の蔓延などは単一の国だけで解決できる問題ではありません。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が国連で採択されたように、世界全体で課題解決に取り組み必要があります。

世界と無関係ではいられない

現在のグローバル化した世界では、遠く離れた国の出来事でも日本に影響を及ぼします。大学の講義で「グローバル化した現代では、世界に無関心ではいられても、無関係ではいられない」と教授が頻繁に言っていたことを思い出します。

2022年3月現在、多くの人がウクライナ情勢を通して、離れた国で起きる紛争が日本にも影響を与えていることを実感しているのではないでしょうか。

小麦やガソリンの高騰、半導体の不足など僕たちの日常に変化が起きています。ロシアによる核攻撃やウクライナの原子力発電所への攻撃があれば日本にも影響が出るでしょう。

日本に悪影響が発生する前に世界で起きている紛争を含む課題を解決することは、日本にとっても大きな意味があります。

めぐりめぐって日本の利益になる

日本が途上国を支援することでその国が発展し、友好的な関係の国が増えることは日本にとって大きなメリットです。

それを証明した一例が東日本大震災です。

日本は1954年のODA開始以降、約190の国・地域に対しておよそ39兆円のODAを供与してきました。そうした背景もあり、東日本大震災の際には先進国や発展途上国を含む124の国・地域及び9の国際機関から支援を受けました。

日本政府が行うODA以外にも、国際NGOや青年海外協力隊などのミクロの活動で築き上げてきた人と人との絆があってこそ、ここまでの支援を受けることができたのだと思います。

情けは人の為ならず。いつか自分によいことが返ってきて、世界にポジティブなサイクルができあがっていくのが、理想の社会ですよね。

映画:風に立つライオン

ケニアで活動する日本人医師が主人公の作品。「助けてもらった分だけ誰かを助ける」という輪の広がりの大切さや尊さを強く伝えてくれる映画です。国際協力に携わる意味ってなんだろうと悩む方にはぜひ見ていただきたい一作です。

自己利益

ひもつき援助とは
国家間で財政援助がなされる際に,その条件として,開発用の資材機材および労働力の調達先を援助供与国に限定するよう求めたもの。これにより供与国は国内産業を守り輸出も促進でき,結果的に援助支出を回収できることになるが,援助を受けるにとっては産業育成のが上がらず,援助を受けた意味合いも薄くなる。

https://kotobank.jp/word/%E3%81%B2%E3%82%82%E3%81%A4%E3%81%8D%E6%8F%B4%E5%8A%A9-159085

政府開発援助で物資を提供する際に、日本の医療器材や建築資材を使用することで直接的に日本企業に利益が発生します。

大規模な開発援助に関して僕は経験も知識もほとんどないので、参考資料だけまとめておきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

国際協力にこれから関わろうと悩んでいる方、関わっている中で悩んでいる方、国際協力に疑問を持っている方が少しでも国際協力の意義を考えるきっかけとなればうれしいです。理由も人の数だけ答えがあってよいですし、皆さんなりの答えを大切にしてなさってください。

最後までご覧いただきありがとうございました。今日もあなたにとってよい一日にでありますように。

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