" /> 【スポーツって開発途上国で必要なの?】JICAから見るスポーツ×国際協力の意義

【スポーツって開発途上国で必要なの?】JICAから見るスポーツ×国際協力の意義

スポーツ/卓球

私は新卒で「卓球」隊員としてJICA海外協力隊に参加しました。

私自身はスポーツ、卓球の魅力や意義を肌で感じていましたが、今でもスポーツが開発途上国で必要とされている理由・意義を体系的に説明することが難しいと感じています。

今回はスポーツ関連のJICA事業を参考に私見も交えつつ、その意義をご紹介します。

参考記事

JICAグローバル・アジェンダ「スポーツと開発」

https://www.jica.go.jp/TICAD/overview/publications/global_agenda_20.html

JICAは20の「JICAグローバル・アジェンダ(課題別事業戦略)」を策定し、 中長期的な目標や取り組みを明確にすることで事業の戦略性の強化を目指しています。
https://www.jica.go.jp/about/disc/report/2023/digest/strategy03.html

その中の1つに「スポーツと開発」が設定され、その目的は「すべての人が性別や年齢、文化、社会的・経済的地位、障害の有無などに関係なくスポーツを楽しめる、それを等しく選択できる平和な社会の実現を促進する。」とされています。
https://www.jica.go.jp/activities/issues/sports/index.html

スポーツの特性

「スポーツと開発」の中で、スポーツの特性が3つ挙げられています。

①多様な楽しみ方

「する」、「見る」、「支える」等、いくつもの楽しみ方がある

スポーツの楽しみ方は人それぞれです。競技者として本気で取り組む人、趣味として楽しむ人、健康維持のために運動する人、色んなスポーツを見て楽しむ人、大好きなチームを応援することが生きがいの人…。それぞれが、それぞれの形で楽しめます。

②惹きつける力

楽しさ・熱狂・感動をもたらし、多くの人々を魅了する

スポーツが人を惹きつける力があるのは、言うまでもないでしょう。例えば、現在開催されているパリ五輪も、世界中の人が注目し、選手の姿から多くの人が感動や勇気をもらっています。パリ五輪のような世界の舞台ではなくとも、部活動、クラブ活動などでも、人々が盛り上がり、熱中できるのは、変わりません。

③人々や地域をつなぐ力

言葉・文化・宗教など社会的背景の異なる人々が一緒に楽しめる

スポーツは言葉がなくても楽しむことができます。年齢、民族、国、文化、宗教、障害の有無など関係なく、一緒に楽しむことができます。それは「①多様な楽しみ方」という特性があるおかげです。

問題解決に向けた協力方針

https://www.jica.go.jp/activities/issues/sports/index.html

スポーツの特性を生かし、「スポーツと開発」では大きく3つの協力を実施しています。

スポーツへのアクセス向上

開発途上国では、スポーツの重要性を十分に認識されていない、十分な人数や質の指導者がいない、スポーツ施設が整備されていないなどの課題があります。誰もが楽しめるスポーツに、誰もがアクセスできるように「スポーツへのアクセス向上」として、①ソフトインフラ、②ハードインフラ、③普及・強化に取り組んでいます。

また、自国のスポーツ選手が世界的に活躍し、夢を与えることで、その競技、スポーツに関心を持つ人も増えます。活躍するスポーツ選手が生まれることで、より多くの人がスポーツを楽しむようになるのです。

心身ともに健全な人材育成

健康の増進

スポーツをし、体を動かすことで、健康を維持に繋がります。これはどんな人にも当てはまります。開発途上国では、偏った食生活から肥満や糖尿病が蔓延している国もあります。また、日本と同様に高齢化が問題となっている国もあります。また、スポーツを通じて気分をリフレッシュしたり、人と接することで心の健康にもつながります。より多くの人が健康で幸せな人生を送るために、スポーツは大いに役立つのです。

学校

学校で子どものうちからスポーツに触れることで、スポーツの楽しさや健康・運動の大切さ学び、体力づくりにもつながります。また、スポーツを通じて「目標の達成(忍耐力・自己抑制・目標への情熱)」、「他者との協働(社交性・敬意・思いやり)」、「情動の制御(自尊心・楽観性・自信)」などの非認知能力を身に着けることが期待されます。

社会的包摂と平和の促進

社会参画促進

障害者、女性、難民など、社会に参画する機会が少ない人たちがいます。そのような人たちにとって、スポーツは社会に参画し、彼らが楽しみ、生きがい、自信、社会との接点を得ることができる貴重な機会なのです。

事実、私が協力隊として活動していたフィジーでの車いす卓球選手は、生活・協議に様々な課題を抱えていましたが、それでも積極的に卓球に打ち込んでいました。

参考記事

また、私が訪問したケニアで卓球が注目されていた理由は、屋外で自由にスポーツをできない女性でも卓球ならできるからでした。

参考記事

平和構築

オリンピックは「平和の祭典」という言葉もある通り、スポーツが平和構築に貢献してきたと思いますが、近年のJICAでは対立している民族同士の融和を目指す取り組みも実施しています。

https://www.jica.go.jp/Resource/publication/manga/south_sudan_sports.html

長きにわたる紛争、民族対立の歴史を持つ南スーダンで、南スーダンが一つの国になれるように、JICAは「National Unity Day(国民結束の日)」全国スポーツ大会開催を支援しました。スポーツが平和構築に繋がる例として、非常に勉強になるので、ぜひ下記サイト、マンガもご覧ください。
https://www.jica.go.jp/Resource/publication/manga/south_sudan_sports.html

まとめ

JICAの「スポーツと開発」をもとに、スポーツによる国際協力の意義についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。

「スポーツ=楽しいだけのものではない」、「私のスポーツで国際協力したい!」、「もっとスポーツの可能性を活かしたい!」と感じていただけたら、嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございます。

今日も皆さんにとってよい一日でありますように。

参考情報

https://www.jica.go.jp/TICAD/overview/publications/global_agenda_20.html
https://www.jica.go.jp/activities/issues/sports/index.html
https://www.jica.go.jp/volunteer/application/long/job_info/sports/
https://www.jica.go.jp/volunteer/sports/

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