2025年5月現在、カタール・ドーハで開催中の世界卓球2025。日本選手の活躍も続いていますが、アフリカ・中南米・中東出身の選手でも活躍した選手たちがいます。ブラジルのカルデラノ選手やナイジェリアのアルナ選手はもちろん、13選手の活躍をご紹介します(大会終了後、5月26日に更新)。
試合のYouTube動画やITTFの試合結果などもまとめています。
男子選手の活躍
Hugo Calderano(ブラジル)準優勝
- 種目:男子シングルス
- 成績:準優勝
- 注目理由:南米の至宝として注目されるカルデラノは、第3シードとして登場し、約100年の歴史を持つ世界卓球選手権で、南米から初のメダリストになりました。歴史を変える活躍でした。
決勝では決勝では中国の王楚欽選手に1対4で敗れたものの、カルデラノ選手のプレーは多くの観客に強烈な印象を残しました。
準決勝の梁靖崑(中国)と対戦し、4-3のフルゲームの死闘となりました。特に最終ゲーム、0-3とリードされたカルデラノでしたが、覚醒して10-3まで10連続得点。そこで試合は終わらず、10-9まで追いつかれましたが、強烈なバックハンドで決勝進出を勝ち取りました。
準々決勝では韓国の安宰賢(韓国)を4-1で撃破。
4回戦のナイジェリアのアルナ戦では4-0で勝利し、一方的な展開で実力の差を見せつけました。
関連記事(ブラジル卓球と日系移民の関係を紹介しています。)
Quadri Aruna(ナイジェリア)ベスト16
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト16
- 注目理由:36歳のベテランながら衰え知らずの爆発力。3回戦で第14シードのドイツのデュダ選手に4-2で勝利しアフリカ卓球の象徴としての風格を示しました。2021年大会でアフリカ人初のシングルス8強入りを果たした実績を持ち、今大会でも欧州の強豪を撃破する活躍を見せました。
Youssef Abdel-Aziz & Mohamed El-Beiali(エジプト)ダブルスベスト8
- 種目:男子ダブルス
- 成績:ベスト8
- 注目理由:阿吽の呼吸で繰り広げたコンビネーションでは男子ダブルス準々決勝に進出。1951年以来初めてアフリカ勢が同種目ベスト8入りする歴史的快挙を達成しました。2回戦では韓国のLIM Jonghoon選手、AN Jaehyun選手ペアを3-0で破る快勝でした。準々決勝では戸上選手、篠塚選手ペアと対戦し、0-3で敗退しました。
またYoussef Abdel-Aziz選手はシングルスでは中国の林高遠相手に2-4と健闘しました。
Omar Assar(エジプト)ベスト64
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト64
- 注目理由:フレイタスとの死闘では持ち味の粘り強さとパワーが炸裂。2回戦でポルトガルのフレイタスとの激闘の末に3-4で惜敗。1時間超えの白熱したフルゲーム戦にもつれ込む接戦で敗れたものの惜しくも敗れたが、実力は確かで存在感を放った。
Noshad Alamiyan(イラン)ベスト64
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト64
- 注目理由:初戦でヨーロッパの実力者イオネスク選手(ルーマニア)に4-2で勝利し順調に2回戦へ駒を進めました。続く2回戦では第14シードのドイツ選手デュダにストレートで敗れましたが、中東を代表するベテラン選手として安定した力を見せ、地元イランからの注目を集めました。
Francisco SANCHI(アルゼンチン)ベスト64
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト64
- 注目理由:2回戦進出。2回戦ではパリ五輪銀メダルのモーレゴード選手(スウェーデン)から2ゲームを奪取しました。アルゼンチン男子卓球界の次世代を担う若手選手として活躍しています。パンアメリカ地域大会やラテンアメリカ選手権で数多くの国際経験を積んでおり、国内外での大会出場を重ねる中で、安定した戦績を収めています。
Mohamed Abdulwahhab(カタール)ベスト64
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト64
- 注目理由:今大会開催国カタールのエースであり、初戦でニュージーランドの選手に4-0で快勝し、カタール人として史上初めてシングルス本戦2回戦進出を果たしました。その歴史的快挙に地元会場は沸き、開会式で選手宣誓を務めたホープとして大会期間中大きな話題となりました。
Wassim Essid(チュニジア)ベスト64
- 種目:男子シングルス
- 成績:ベスト64
- 注目理由:2回戦進出。2024年アフリカユースチャンピオンとして臨み、初戦でスペイン選手を破りました。2回戦ではカルデラノに挑みましたが、0-4で敗退。結果こそ及ばなかったものの、将来を嘱望されるアフリカ若手選手として存在感を示しました。
女子選手の活躍
Bruna Takahashi(ブラジル)ベスト16
- 種目:女子シングルス
- 成績:ベスト16
- 注目理由:ブラジル女子選手として史上初めて世界選手権シングルスでベスト16に進出しました。4回戦では中国の陳幸同(Chen Xingtong)と対戦し、初戦を奪取するなど善戦しました(1-4で敗退)。
Sibel ALTINKAYA(トルコ)ベスト32
- 種目:女子シングルス
- 成績:ベスト32
- 注目理由:初戦でドイツのXiaona SHAN選手、2回戦でエジプトのYousra HELMY選手をそれぞれ4-3の接戦で破り、3回戦に進出、Bruna Takahashi選手に敗れました。長年にわたりトルコ女子卓球界をけん引してきたベテラン選手で、国内大会で多数の優勝実績を持ち、ヨーロッパおよび国際大会でも継続的にトルコ代表として活躍してきました。
Hana Goda(エジプト)ベスト32
- 種目:女子シングルス
- 成績:ベスト32
- 注目理由:3回戦進出(ベスト32)。15歳のアフリカ女王として登場し、ブラジルのジュリア・タカハシを4-1で破って自身初の3回戦進出を果たしました。アフリカの女子選手として唯一シングルス3回戦に進んでおり、前回大会(2023年)の成績を上回る躍進で「将来のスター」として大会中注目を集めました。
Adriana Diaz(プエルトリコ)ベスト32
- 種目:女子シングルス
- 成績:ベスト32
- 注目理由:3回戦進出(ベスト32)。世界ランク14位のパンアメリカン女王として期待され、第14シードで大会に臨みました。序盤は苦戦する場面もありましたが、初戦をフルゲームの末に勝ち抜きittf.com、観客を魅了するプレーを見せました。惜しくもシンガポールの曾尖に敗れてベスト16は逃したものの、中南米女子のエースとして大会前から注目を集めていました。
まとめ
世界卓球2025では、アフリカ、中東、中南米の選手たちが、世界の強豪国に立ち向かい、着実な存在感を示しています。特に男子選手はブラジルのカルデラノ選手、ナイジェリアのアルナ選手などの強豪以外にも活躍した選手が多く、今後の活躍が一層楽しみです。
出典: 世界卓球2025大会公式サイトおよびITTFニュース記事https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Draws&eventId=3108
卓球レポート
https://www.butterfly.co.jp/takurepo
卓球王国
https://world-tt.com/blog/news/archives/category/championship-2025
関連記事

コメント