今回は2018年に私がケニアのスラムで卓球をした話をまとめます。
私がJICA海外協力隊になろうと決意した大切な大切な経験です。
ケニアについて
ケニアはアフリカ大陸の一国です。
ケニア=サファリのイメージを持っている方も多いかもしれません。
私が訪れたのは首都ナイロビですが、その近くでも動物と触れ合える場所はあります。なんと空港と首都の間にサファリがあります。
サファリのイメージとは裏腹に、首都ナイロビは大都会です。
かなり発展したケニアの首都ナイロビですが、貧富の差は大きく、周辺にスラムがあります。私はナイロビ周辺のスラム2か所で卓球をしました。ケニアのスラムの卓球の様子は…
スラム① 卓球台の天板に穴が開いた台
私が訪れたスラムの1つはキベラスラムです。
キベラスラムは世界最大級のスラムです。ケニアの首都ナイロビの中心から5kmほど離れたアフリカ最大規模のスラム街、キベラスラム。2.5km四方の土地に100万人から200万人の人々が暮らしていると言われています。100万人以上が暮らす場所は1つの街であり、想像よりもはるかに広かったです。
そんなケニアのスラムにある学校で卓球をしました。
卓球台がある部屋に入った瞬間、驚きました。
「お!すごい!ケニアのスラムの中に卓球台がある!」
しかし、よく見ると突っ込みどころがたくさん。
卓球台の左右に机が置いてあるように見えますが、卓球台の脚が壊れていて卓球台の天板(表面)を長机3卓の上に置いています。
卓球台に大きな穴が開いています。これほど大きな卓球台に穴があくのか疑問です。
ネットは完全に自作です。
この環境で学校の生徒、先生と30分ほど卓球をしました。
スラム② 手作りの卓球台にマフラーがネット代わりで卓球
ナイロビ周辺の他のスラムにも訪れました。
写真のような場所に囲まれた学校に向かいました。
キベラスラムの学校よりも、卓球の環境としては悪かったです。
✓白い長机を青く塗って卓球台として使用
✓ネットがなく、柱にマフラーを巻いてネット代わりに使用
ここでも30分ほど卓球をさせてもらいました。
感想①「自分でも役に立てることがある」
私との卓球で、子どもたちはめちゃくちゃ喜んでくれました。
私は卓球選手としての実績はありません。全国大会にも出ていないし、自分で卓球が強いとも、指導者として一流とも思っていません。それなのに、私をまるで世界チャンピオンのように扱ってくれました。
学校の先生も「おれと試合しよう!」、「また来てくれ!」と喜んでくれました。
私より強い選手も、私より優秀な指導者も山のようにいますが、それでも私との卓球で大喜びしてもらえて、私自身も非常に嬉しく、「自分でも役に立てることがある」と自信を持てました。ケニアでの体験はJICA海外協力隊の卓球隊員に応募する最後の一押しでした。
感想②「国際協力でスポーツをする意味は単純だ」
ケニア訪問前、私は開発途上国で卓球を指導する意味に疑問を持っていました。
開発途上国でスポーツが必要な科学的な理由は「スポーツを通して心身を健康に保ち、協調性、向上心、自信を育める」などがあげられますが、スポーツは医療や食糧と違い、命をつなぐために必要なことではありません。
「もっと他に必要な支援があるのでは…」と、考えていました。
でも、私は国際協力に卓球を通して関わる単純な理由をケニアで見つけました。
国際協力の意義とか、支援の必要性とか、難しいことを全部取っ払って、卓球を楽しんでほしい。みんなが卓球で笑っている、楽しんでくれている。それだけで、国際協力で卓球に取り組む意味はある。
そんな風に思えました。
感想③スポーツを楽しむのに必要なのは「楽しむ気持ち」
私が日本で卓球をしている時、自分の技術もないくせに、よく文句を言っていました。「卓球台が汚い」、「場所が狭い」、「ラバーが悪い」などなど。
でも、ケニアではどうでしょう。
30人ほどの生徒がぎゅうぎゅうになって1台を使っています。卓球台もボールもラケットもボロボロです。でも、彼らは卓球を大いに楽しんでいます。日本の同年代の子どもとは比べ物にならないほど楽しそうです。
卓球を楽しむためには、よい用具も設備も必要ない。楽しむために一番必要なものは「卓球を楽しむ気持ち」だったのです。
ケニアで、当たり前だけど大切なことに気づかされました。
まとめ
ケニアは初めて訪れたアフリカの国でした。アフリカに上陸して観光しているだけでも刺激にあふれているのに、卓球までやらせてもらって、本当に学びの多い旅でした。
最後までご覧くださってありがとうございました。今日も良い日を。
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