本記事では、中米の6か国の2025年5月時点の世界団体ランキングをもとに、卓球事情を紹介します。https://www.ittf.com/ittf-world-team-ranking
近年、南米の卓球界は飛躍的な進化を遂げています。特にブラジルのカルデラノ選手の活躍は、地域全体の競技熱を押し上げ、多くの国が競技力強化や国際協力を通じた発展を遂げています。ここでは南米主要国の卓球事情を紹介します。

※以下、男子団体ランキング順に記載し、順位は(男子ランク・女子ランク)で記載。ポイント制のため世界ランクが同一の国もあります。
※各国の基本情報は日本の外務省「各国・地域情勢」ページを参照しています。https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html
ブラジル(Brazil)男子9位・女子11位
代表とランキング:ユーゴ・カルデラノ選手(男子世界3位)、ブルナ・タカハシ選手(女子世界16位)らが活躍しており、世界卓球2025でのカルデラノ選手のシングルス準優勝も非常に印象深いです。男子団体は南米最上位です。
近年の成績:世界卓球やパリ五輪で団体ベスト8に進出しています。パンアメリカン選手権では男子・女子団体ともに金メダル常連です。
日本との関係:日系移住者がブラジル卓球の発展に大きく貢献しており、今でも日系の選手が多く活躍しています。
- 人口:約2億1,600万人
- 面積:約851万6,000km²(日本の約22.5倍)
- 首都:ブラジリア
- 言語:ポルトガル語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brazil/
チリ(Chile)男子31位・女子22位
代表とランキング:男子はブルゴス選手、ゴメス選手が代表的存在で、いずれも世界ランクでは100位台ながら地域大会での実績があります。女子はベガ選手などが活躍しています。
近年の成績:2023年パンアメリカン選手権で男子・混合ダブルス金メダルを獲得しました。女子団体も銅メダルを獲得しています。
- 人口:約1,950万人
- 面積:約75万6,000km²(日本の約2倍)
- 首都:サンティアゴ
- 言語:スペイン語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック、プロテスタント)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/chile/
アルゼンチン(Argentina)男子34位・女子45位
代表とランキング:シフエンテス選手、アルト選手が中心です。女子は中堅レベルにあります。
近年の成績:パンアメリカン選手権では男子ダブルスで金メダルを複数回獲得しています。団体戦でも安定した強さを見せています。
Francisco SANCHI選手は世界卓球2025でシングルスベスト64に進出し、スウェーデンもモーレゴード選手からも2セットを奪っていました。
- 人口:約4,600万人
- 面積:約278万km²(日本の約7.5倍)
- 首都:ブエノスアイレス
- 言語:スペイン語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/argentina/
エクアドル(Ecuador)男子43位・女子48位
代表とランキング:アルベルト・ミーニョ選手が代表的存在です。 ミーニョは南米有数の選手として長年活躍しており、世界ランキングでも一時は50~60位台に入った経験があります。2020東京五輪にも出場しました。
近年の成績:南米大会やパンアメリカン選手権で上位に入り、世界大会にも出場しています。
- 人口:約1,800万人
- 面積:約25万7,000km²(日本の約0.7倍)
- 首都:キト
- 言語:スペイン語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ecuador/
ペルー(Peru)男子49位・女子87位
代表とランキング:ペルーは1980年代に南米王者を輩出した実績がありますが、現在のトップ選手は世界ランクでは200~300位台です。男子ではチュン選手らが活躍しています。女子では若手のアナ・コバ選手が成長中です。
近年の成績:南米大会では男子団体が銅メダルを獲得しています。ジュニア世代でも着実に成績を残しています。
- 人口:約3,400万人
- 面積:約128万5,000km²(日本の約3.4倍)
- 首都:リマ
- 言語:スペイン語、ケチュア語など
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/peru/
パラグアイ(Paraguay)男子57位・女子82位
代表とランキング:パラグアイのエースはマルセロ・アギーレ(Marcelo Aguirre)です。アギーレは左利きの巧者で、世界ランキングでは一時100位以内に入った同国史上最高の選手です。彼はオリンピックにも出場経験があり、南米でも上位の実力者です。
近年の成績:南米大会やパンアメリカン選手権で表彰台に上がる成績を収めています。
- 人口:約710万人
- 面積:約40万6,000km²(日本の約1.1倍)
- 首都:アスンシオン
- 言語:スペイン語、グアラニー語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/paraguay/
ベネズエラ(Venezuela)男子92位・女子59位
代表とランキング:ヒラク選手、ディアス選手らが主力(男子団体93位)です。
近年の成績:南米大会でベスト8入りを果たしています。男子ダブルスではパンアメリカン選手権ベスト4の実績があります。
- 人口:約2,840万人
- 面積:約91万6,000km²(日本の約2.4倍)
- 首都:カラカス
- 言語:スペイン語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/venezuela/
コロンビア(Colombia)男子113位・女子61位
代表とランキング:ナランホ選手らが活躍中(男子団体109位タイ)です。女子は今後の成長が期待されています。
- 人口:約5,100万人
- 面積:約114万km²(日本の約3倍)
- 首都:ボゴタ
- 言語:スペイン語
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/colombia/
ボリビア(Bolivia)男子128位・女子110位
代表とランキング:競技者人口が少なく、男子団体は131位タイと下位に位置します。
近年の成績:南米大会でベスト16入りした選手もおり、国内大会を中心に活動しています。
- 人口:約1,200万人
- 面積:約109万9,000km²(日本の約2.9倍)
- 首都:スクレ(憲法上の首都)、ラパス(行政上の首都)
- 言語:スペイン語、ケチュア語、アイマラ語など
- 宗教:キリスト教(主にカトリック)
- 外務省情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bolivia/
南米では、卓球が「競技」としてだけでなく、「社会を変えるツール」としても認識され始めています。カルデラノのような世界的スターの出現はもちろんのこと、各国での地道な育成や国際協力を通じた発展が、南米のピンポン熱をますます高めています。
コメント