私が大学生の頃、カンボジアの小学校建設資金を集めるために街頭募金をしていました。その際によく言われた言葉があります。
「日本にも困っている人がたくさんいるのに、なんでわざわざカンボジアのよくわかない子どものために募金なんてしないといけないの?」
「日本も大変なのになんで?」と同じような言葉をかけられたことはたくさんあります。私なりの答えとして、「カンボジアではポル・ポト政権の時代に教育が崩壊し、校舎がない、教育は大切だ…」等と説明していました。しかし、それはあくまで、カンボジアでの事情です。
「日本国内でも支援を必要する問題が山積みなのに、見ず知らずの、よくわからない国に対して支援をする理由は何か」という質問への答えは何でしょうか。
先進国が国際協力をする3つの理由
①日本が援助をしてもらってきた歴史があるから
②日本の利益にも繋がるから
③世界は繋がっているから
以上、3つです。
①日本が援助をしてもらってきた歴史があるから
第2次世界大戦からの復興
第2次世界大戦後、日本は米国や世界銀行をはじめとする国際社会からの支援・融資を受けながら、復興してきました。世界銀行の融資により建設されたインフラとして東海道新幹線、東名・名神高速道路などがよく知られています。
災害時の支援
2011年の東日本大震災の際、日本は先進国や発展途上国を含む124の国・地域及び9の国際機関から支援を受けました。
海外からの支援に対する感謝
政府開発援助(ODA)の現状
また、2024年に発生した能登半島地震でも4月1日時点で173の国・地域及び43の国際機関からお見舞いメッセージ等がありました。https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ap_m/pagew_000001_00134.html
戦後に国際社会から支援を受け、今年になっても災害時には支援を受けています。これは日本が国際協力を継続的に実施し続け、様々な国・地域と友好的な関係を築いてきたからです。
困ったときはお互い様、受けた恩をしっかりと返していくことで、世界は良くなっていくのではないでしょうか。
②日本の利益にも繋がるから
世界の安定=日本の安定
最近では、新型コロナウィルスは全世界的に猛威を振るい、世界中で大きな被害を出しました。ウクライナ紛争起きたことで、小麦やガソリンの高騰、半導体の不足など私たちの日常レベルでも大きな影響がありました。
一例ですが、日本は食料自給率が38%で、自国だけで食料を賄うことができません。そんな日本にとって、輸入先の国々が安定していることは、非常に重要です。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html
日本の経済成長
日本企業が持つインフラ技術の海外展開をODA(政府開発援助)で後押することは、開発途上国の開発に繋がるだけなく、日本企業の成長に繋がります。
インフラのような大規模なスケールでなくても、日本企業が開発途上国に進出し、現地の課題を解決したり、現地で雇用を創出することは、立派な国際協力であり、日本経済の成長です。
③世界は繋がっているから
現在のグローバル化した世界では、遠く離れた国の出来事でも日本に影響を及ぼします。大学時代に受講した講義で「グローバル化した現代では、世界に無関心ではいられても、無関係ではいられない」と先生が言っていたことをよく覚えています。
地球規模課題と呼ばれる、環境問題、感染症、人口増加、食料、エネルギー、災害、紛争などは自国だけの問題ではなく、全世界的に解決を目指す必要があります。
SDGsも開発途上国のみではなく、先進国も含めて、全世界が取り組むゴールです。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
映画:風に立つライオン
ケニアで活動する日本人医師が主人公の作品です。世界の繋がりの大切さや尊さを教えてくれる映画です。国際協力の意味ってなんだろうと悩む方にはぜひ見ていただきたい一作です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本のことだけを考えていて、日本をよくできる時代ではないのです。国際協力は巡り巡って、日本の利益、自分たちのためにもなっているのです。
日本が国際協力をする理由について、考えるきっかけとなればうれしいです。理由も人の数だけ答えがあってよいと思いますし、皆さんなりの答えを大切にしてください。
今日もあなたにとってよい一日にでありますように。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考記事
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/q_a/enjyo.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/04_hakusho/ODA2004/html/column/cl01009.htm
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/oda/page23_000407.html
コメント